著者
浅田 美穂
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.3-16, 2020-01-15 (Released:2020-04-22)
参考文献数
106
被引用文献数
3

「泥火山」は地下から流体と堆積物を地表に至らせ地形的特徴を形成する地質学的現象だが,地熱地帯,油田地帯,そして堆積物優勢地域など幅広い地質学的バックグラウンドをもって分布する泥火山の活動は未だ理解されたとは言えない.泥火山が地下から運ぶ流体と堆積物は地下の性状を反映すると考えられ,掘削では技術的に到達が困難な大深度の情報を持つと期待される.日本における泥火山は海洋で数が多く活動的である.泥火山群発海域に地震津波観測のために敷設された大規模観測網は海域泥火山活動モニタリング手法を拓きつつあるし,火星の泥火山はこれら研究が惑星科学にも寄与する可能性を示唆する.長く地質学者の関心を引きつけてきた泥火山は,いま日本で新しい研究局面を迎えつつある.

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