著者
日下田 茂
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.81-91, 2012-02-10 (Released:2012-02-13)
参考文献数
21

最近,日常生活では青焼きのコピーを見る機会がなくなってしまった.青焼きはジアゾコピーの俗称であるが,ジアゾ複写プロセスでコピーされた画像の主流が青色画像であったため,このように呼ばれていた.ジアゾ感光紙と複写機は1955年から1975年にかけてわが国において広く普及した複写プロセスである.その画像形成プロセスは,感光紙に塗布されたジアゾニウム塩の2つの特性から成り立っている.特性の1つ目は,ジアゾニウム塩は光照射によって分解されて,無色の化合物になる.特性の2つ目は,分解されなかったジアゾニウム塩はカップラーと反応して有色のアゾ染料を生成する.このジアゾニウム塩の特性を利用して,露光工程と現像工程を経由することにより,ポジ-ポジの複写画像が得られる.ジアゾ複写プロセスはコピー単価が安くしかも操作が簡単という長所により,様々な産業分野において設計図面等の大量の複写用途に利用されてきた.本稿では,ジアゾ作像技術の1つであるジアゾ複写プロセスの変遷について紹介する.

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