著者
佐々木 司 松元 俊
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.11-23, 2017 (Released:2019-11-16)
参考文献数
65
被引用文献数
1

本論説では,過労死の発症メカニズムのモデルを睡眠の質の点から検討した。睡眠は,質の異なる徐波睡眠とレム睡眠から構成される。前者はホメオスタシス性,後者はリズム性で出現する特徴がある。通常の睡眠構築では,レム睡眠出現量が徐波睡眠出現量より多い。しかし労働時間が長くなり,その結果,睡眠時間が短くなると,徐波睡眠圧が強まり,レム睡眠出現量が減少する。同時にレム睡眠圧が高まり,やがて通常の睡眠では生じない睡眠開始時レム睡眠も出現する。この時,徐波睡眠のホメオスタシス性とレム睡眠のリズム性の同調が崩れ,アロスタシス負担状態となる。このアロスタシス負担状態が繰り返されると,やがて通常のレム睡眠時に亢進する交感神経が一層亢進し,循環器負担が強まり,過労死へ至ると考えられる。(図2,表1)

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