著者
嶋田 哲郎
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.27-34, 2007 (Released:2017-11-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1

伊豆沼・内沼周辺の水田生態系を代表するガンカモ類であるマガンとオオハクチョウを対象に,沼北部の水田地域で2004/05 年の越冬期に環境利用の調査を行なった.マガンは10 時以降調査地域に飛来して活動した一方で,オオハクチョウは調査地域へ午前中,順次飛来した.マガンとオオハクチョウの主な行動は採食と休息であった.環境利用をみると,マガンでは12 月に秋耕水田で個体数密度が高かったが,11,2 月ではコンバイン水田,畦での密度が高く,特に採食個体の密度はコンバイン水田と畦で高かった.マガンとは対照的に,オオハクチョウは採食,休息ともふゆみずたんぼとその周辺の畦の密度が高かった.両種の違いは,マガンが主につまみ取り型の採食方法をもつのに対し,オオハクチョウは水と籾を一緒に食べて水を嘴の脇から出すという漉し取り型の採食方法をもつことによると考えられる.

言及状況

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また冬季湛水は正に効くと思われます。水と落ち籾を一緒に濾し取って食べることが多いので。とはいえ、私が観察したコハクチョウも別に湛水田ではなさそうだし、先ほどTweetの論文では湛水程度は生息密度に特に影響していなかったので、どこまで強く効くのかは定かではない。 https://t.co/MbZYMlc0ZD

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