- 著者
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山田 真裕
- 出版者
- 日本選挙学会
- 雑誌
- 選挙研究 (ISSN:09123512)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.2, pp.5-14, 2011 (Released:2017-06-05)
- 参考文献数
- 21
本稿は2009年総選挙による政権交代をもたらしたスゥィング・ヴォーターに分析の焦点を合わせる。本稿で分析の対象とするスゥィング・ヴォーターは2005年総選挙では自民党に投票したが,2009年総選挙では民主党に投票先を変更した有権者たちである。麻生内閣への失望と新しい政権への期待,特に民主党の政権担当能力に対する評価の改善がこのようなスゥィングをもたらしたことを,JES4データの分析により示した。このことは2009年総選挙におけるスゥィング・ヴォーティングが,麻生内閣に対する業績評価投票である以上に,民主党に対する期待を込めたプロスペクティヴな投票行動であることを意味する。