著者
林 〓情
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.20-32, 2003-03-31 (Released:2017-04-29)

本研究は,アンケート調査をもとに,両国の非親族に対して用いられる呼称例を収集し,類型を作り,その類型から呼称の使い分けとその特徴について対照比較したものである.分析の結果,(1)既知の人に対する場合,両言語では,親族名称,実名・愛称,人称代名詞,地位・役職名,職業・役割名などが呼称として用いられている.呼称表現の使用をみると,韓国語では年上に対しては親族名称が,同年輩,年下に対しては実名・愛称で呼びかけるのが一般的である.これに対し日本語では,同僚や知人においてごくわずかな親族名称だけが用いられているだけで,非親族に対しては実名・愛称で相手のことをとらえることが圧倒的である.(2)一方見知らぬ人に対する場合,両言語では,親族名称,人称代名詞,「喚起語句」などが呼びかけとして用いられており,その中でも「喚起語句」が多用されている点で共通している.しかし親族名称の使用には違いが見られ,日本人に比べて韓国人のほうが多用している.

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@1683waterland https://t.co/6FGPGv35iz 前半部分は既に実証研究があったし、割と面白そうな仮説だ。

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