著者
小花和 宏之 早川 裕弌 坂上 清一
出版者
システム農学会
雑誌
システム農学 (ISSN:09137548)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.29-38, 2021-09-25 (Released:2022-06-15)
参考文献数
15

空撮写真から3次元モデルを作成する際に、Domingと呼ばれるモデル全体の歪みが発生することが知られており、計測精度の低下が問題となっている。そこで本稿では、RTK(real time kinematic)-GNSS(global navigation satellite system)を搭載したUAV(unmanned aerial vehicle)の使用、カメラ角度、データ処理方法、およびGCP(ground control point)の配置と、Doming発生程度および鉛直精度との関係を検討した。その結果、カメラの角度を傾けるほどDomingおよび鉛直誤差低減効果が大きく、カメラ位置精度をRTKに最適化することで、GCPを使用しなくてもDomingの発生をほぼ完全に抑えることが可能であり、さらにレンズ歪みモデルのRTK最適化により鉛直誤差も2 cm以内に低減可能なことが示された。なお、慣行の非RTK-UAVにGCPを組み合わせる方法でも、計測範囲中心にGCPを配置することで、極めて高いDomingおよび鉛直誤差低減効果が得られることが確認された。以上より、省力性や運用効率等を考慮した場合、RTK-UAVの使用、カメラ角度-70度、写真測量ソフトウェア(Agisoft Metashape)上の処理における「XMPカメラ位置精度の利用on」、「カメラアライメントの追加補正on」、GCP不使用の組み合わせが最適だと考えられた。

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@YouTube より詳細な情報については、下記の文献をご覧ください。 小花和宏之, 早川裕弌, 坂上清一 (2021) RTK-UAV測量において3次元モデルのDomingを低減する方法 -GCPを使用せずにcmレベルの精度を実現する撮影・データ処理-. システム農学, 37(2), 29-38. https://t.co/VRZpoPFFVW

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