- 著者
-
山野 茂樹
- 出版者
- 日本獣医腎泌尿器学会
- 雑誌
- 日本獣医腎泌尿器学会誌 (ISSN:18832652)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.1, pp.30-35, 2018 (Released:2018-05-11)
- 参考文献数
- 14
腎性貧血は慢性腎臓病のネコの30〜65%に認められる。腎性貧血は慢性腎臓病進行の独立した危険因子であり、その治療は慢性腎臓病ネコにおいて重要である。腎性貧血の治療において、赤血球造血刺激因子(Erythropoiesis stimulating agents: ESA)製剤の使用が推奨されている。ESA製剤は慢性腎臓病ネコのQOLと代謝機能を改善する。しかし、ESA製剤の使用は、鉄欠乏、血栓塞栓症、高血圧症、赤芽球癆などの多くの合併症を引き起こす可能性がある。