著者
山野 茂樹
出版者
日本獣医腎泌尿器学会
雑誌
日本獣医腎泌尿器学会誌 (ISSN:18832652)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.30-35, 2018 (Released:2018-05-11)
参考文献数
14

腎性貧血は慢性腎臓病のネコの30〜65%に認められる。腎性貧血は慢性腎臓病進行の独立した危険因子であり、その治療は慢性腎臓病ネコにおいて重要である。腎性貧血の治療において、赤血球造血刺激因子(Erythropoiesis stimulating agents: ESA)製剤の使用が推奨されている。ESA製剤は慢性腎臓病ネコのQOLと代謝機能を改善する。しかし、ESA製剤の使用は、鉄欠乏、血栓塞栓症、高血圧症、赤芽球癆などの多くの合併症を引き起こす可能性がある。
著者
湯山 輝彦 遊佐 繁基 吉住 和親 山野 茂樹 村田 聡一郎 廣瀬 友亮 長内 利佳 大西 陽子 大里 聡 佐々木 千枝 佐々木 由香子 角田 勤 椿 志郎 高井 伸二
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.715-718, s・iii-s・iv, 2002-08-25
参考文献数
22
被引用文献数
4 9

鹿児島県の5カ所の軽種馬生産牧場で生産された13頭のサラブレッド種の仔馬と母馬における15-17kDa抗原(VapA)陽性のRhodococcus equi強毒株の分離頻度を検討し,制限酵素切断像による病原性プラスミド型別を行い,これまでに報告された日本のプラスミド型と比較した.13頭の仔馬糞便から分離した886株中218株(24.6%)が,親馬から分離した104株中13株(12.5%)が強毒株であった.231の強毒株のプラスミドDNAを制限酵素EcoRI,EcoT22I及びHindIIIで検索したところ,172株が90-kb type I型,57株が90-kb type II型,2株が90-kb type IV型の病原性プラスミドを保有し,3種類のプラスミドに型別された.以上の成績から,鹿児島の軽種馬から分離された強毒株が保有する病原性プラスミドの分布に地域特異性のあることが明らかとなった.