著者
風間 辰夫
出版者
日本鳥類標識協会
雑誌
日本鳥類標識協会誌 (ISSN:09144307)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.11-22, 2014 (Released:2015-08-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

キジ科の種間雑種作出はあくまでも,狩猟,観光行政の面からの作業であり,科学的な視点での知見が乏しいのが現状である.日本では,鶏,矮鶏,軍鶏等の改良種は古くから行われてきたが,キジ類についてはほとんど例がない.そこで本稿では,暗中模索の状態で実施した交配実験結果を基に,その繁殖成績と交雑種の外観を記す事を目的とする.かけ合わせた種の組み合わせ20ペアは,すべてケージ内において自然繁殖で行った.その結果,量産可能な品種としては,コウライキジ雄×オナガキジ雌,キジ雄×キンケイ雌,キジ雄×コウライキジ雌(この逆交配も可)の4種の交配種が妥当であると考えられた.これらのうち,作出された雄の成鳥は交雑種であることの判別が外観より容易に行えるが,雌の場合は野外での判別は不可能であると考えられた.また作出には高度な技術を要するために,経済的な面から社会一般に容認されるものでないと思われた.過去の放鳥や交雑の影響により,放鳥猟区近隣等でキジ科の識別が困難となる可能性もありうる.本稿はその識別の一助となりうるであろう.

言及状況

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編集者: 小宮山広明
2018-11-07 15:25:43 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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