著者
池内 眞弓
出版者
The Japanese Society for Complementary and Alternative Medicine
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.65-74, 2022-10-31 (Released:2022-11-16)
参考文献数
44

本研究では,気分障害患者に対して能動的音楽聴取および受動的音楽聴取による効果を評価する目的で,近赤外分光法(NIRS)を用いた前頭葉の活性化と唾液ストレスマーカーの評価を行った.対象は健常者15名,気分障害群12名とした.ベースラインと比較して,音楽演奏課題中のOxy-Hbは,健常者群ではすべてのチャンネルで上昇していたが,気分障害群では有意に低下するか,変化が少ない傾向が見られた.音楽聴取中のOxy-Hbは,健常者群ではすべてのチャネルで低下したが,気分障害群では有意に上昇する傾向が見られた.歌唱課題でのOxy-Hbは,健常者群では多くのチャンネルで上昇した.気分障害群では,音楽療法セッション後に血中および唾液中のコルチゾールレベルが有意に低下した.この結果は,音楽療法がストレス解消にプラスの影響を与えること,能動的な音楽課題と受動的な音楽課題では前頭葉の活性化に対する効果が異なることを示唆している.

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【音楽療法関連論文情報】 気分障害患者の生理的・生化学的マーカーに及ぼす音楽の影響 池内 眞弓 日本補完代替医療学会誌/19 巻 (2022) 2 号 本論英語ですが、日本語アブストありです 能動と受動で効果が違う事が示唆されたとのこと https://t.co/nOWV9cfOhc #セラピストはGO・I・S

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