著者
横田 淳司 藤野 圭太郎 仲野 春樹
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.180-182, 2018 (Released:2019-07-25)
参考文献数
6

神経伝導検査で伝導障害が軽度であった滑車上肘筋による尺骨神経障害の2例を経験したので報告する.症例1は45歳女性.MRIで滑車上肘筋と思われる構造物を認めたが,肘上-手の運動神経伝導速度(MCV),感覚神経伝導速度(SCVの低下は軽度であった.術中,滑車上肘筋を認め,これを切除すると筋の直下で神経が細小化していた.症例2は36歳男性.MRIと超音波で滑車上肘筋と思われる構造物を認め,inching法で内上顆の中枢0-1cmで潜時差の開大を軽度認めた.術中,滑車上肘筋を認め,その中枢で神経は軽度腫大していた.2例はいずれも比較的若年者で,肘運動時に症状が増悪していた.労作時に発症・増悪する尺骨神経障害例では,電気生理学的に軽度の障害であっても,滑車上肘筋の関与を念頭に置き,MRIなど画像診断や,inching法など詳細な電気生理学的評価を行う必要がある.

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そこそこ存在する滑車上肘筋と肘部管症候群 https://t.co/XX4rVU1zme https://t.co/wbqeMfJsb4

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