著者
岡村 直樹
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.82-85, 2019 (Released:2019-12-24)
参考文献数
6

近年,尺骨塑性変形を伴ったHume骨折の報告も認められる.今回,当院で経験した3例について報告する.受傷時年齢は4歳と7歳と10歳で,初診時に3例とも見逃されており翌日に全身麻酔下に尺骨の塑性変形と橈骨頭の前方脱臼を徒手整復可能であり外固定を継続した.最終観察時に尺骨の弯曲が残存している例もあるが疼痛や可動域制限は認めていない.受傷機転としては,転落が多く見逃しも多い.治療法としても,徒手整復から尺骨の骨切りと様々であるが,受傷後早期であれば整復可能である.橈骨頭の前方脱臼が認められる際には,尺骨の塑性変形と肘頭骨折が合併することが多く見逃さないように注意することが重要である.また,時期を逸すると徒手整復が困難となるため早期の的確な診断が重要であると考える.

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