著者
大柿 徹 苦瓜 知彦 大久保 仁 小松崎 篤
出版者
Japanese Society of Otorhinolaryngology-Head and neck surgery
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.95, no.9, pp.1323-1331,1477, 1992-09-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
20
被引用文献数
6 6

職業ダイバー31人について聴力検査, 内視鏡による外耳道の検査を行った. この結果, 外耳道外骨腫は40%以上に, 感音性難聴は70%以上に認められ非常に高い発生率を見た. 外骨腫は潜水歴の長さとは関連性がなく, またこれと難聴との関連性もなかった. 感音性難聴においてはその程度と潜水歴と長さとに関連性が認められた. 感音性難聴が認められた者の中で内耳窓破裂等の内耳圧外傷による急激な聴力の低下を経験している者は極めて少なかった. 現在, 潜水による感音性難聴としてはこの内耳外傷による急性の感音性難聴が認められている. しかし内耳圧外傷が生じる程の大きな圧変化でなくても何らかの経路を介して内耳リンパ液圧の変化をもたらし, これが頻回に繰り返されると内耳聴覚器に障害が生じ, 慢性の感音性難聴が発症するのであろうと推察した.

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