著者
高橋 利枝
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌 (ISSN:18842135)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.7-17, 2019 (Released:2019-06-10)

本論文の目的は,人工知能(AI)やロボットがもたらす社会的インパクトを理論的かつ経験的に捉えることである.まず理論枠組みとして,これまで理論と経験的調査研究との往還運動を通して発展させてきた「コミュニケーションの複雑性モデル」について紹介をする.次に,AIやロボットに関する日本と西欧の差異についてアプローチしていく.両者の差異に関しては,これまで思想や宗教的な観点から主に多く説明されてきた.そのため本稿では,ケンブリッジ大学との共同研究「グローバル・AIナラティブ」プロジェクトから,1920年代以降のAIナラティブについて社会経済的な力学から考察を試みたいと思う.さらに人とAI/ロボットとのエンゲージメントに関する実態について,現在行なっている2つの調査研究—若者とAI調査,高齢者のロボット・エンゲージメントから考察する.最後に今後のAI/ロボット開発において必要な「ヒューマン・ファースト・イノベーション」について提案したいと思う.

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早速 J-STAGE をあたる。 単語使いは大仰だけど、エージェント含めた相互作用がボトムアップに作られるというのは好きな考え方だ。ギデンズも出てきて盛り沢山 // 人工知能(AI) とロボットがもたらす社会的インパクト:「ヒューマン・ファースト・イノベーション」に向けて https://t.co/11wlNEMvUk
「Society5.0」つまり「AI や IoT,IoR(ロボット) などが日常生活のあらゆる場面に入り込み,サイバー空間とフィジカル空間とが融合された新たな社会」に向かう中、世界から奇異な目で見られるアイボなどのロボットを愛す日本人についての論考.興味深しhttps://t.co/7OUqbHqv2C

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