著者
水田 国康
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.146-152, 1960-09-30 (Released:2009-02-12)
参考文献数
8
被引用文献数
9 15

チャドクガもマイマイガも卵は卵塊として産付されるがその幼虫の習性は異なり,チャドクガの幼虫は終齢に達するまで密接に集合し集団的に行動するが,一方マイマイガはこのような集合性は示さない。両種の室内での飼育によると,チャドクガでは集団の個体数が少ないほど死亡率が高く,幼虫期間も長くなり,脱皮回数も多くなった。また集合飼育の幼虫を各齢期に1頭に分離した場合にも,早い齢期に隔離したものほど死亡率が高く,幼虫期間も増加する傾向があった。ことに若齢(1∼3齢)期に隔離したものは発育を完了することができなかった。しかしさなぎ期間,終齢幼虫の頭幅,さなぎ体重,蔵卵数については,集団の大小あるいは隔離齢期による差は認められなかった。マイマイガでは,幼虫期間,さなぎ期間,幼虫の頭幅,さなぎ体重および蔵卵数などは1頭区において最大になり,容器あたりの個体数が増加するにしたがいこれらは減少する傾向が認められた。しかし幼虫期間は中間区で最小となった。

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小さいうちなら一本の木に数匹見逃しても死んじゃうのかな。 >チャドクガでは集団の個体数が少ないほど死亡率が高く,幼虫期間も長くなり,脱皮回数も多くなった。 https://t.co/jZzv7qRwyA

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