著者
有園 正俊
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.20-022, (Released:2021-11-22)
参考文献数
8

先行研究によると、児童期のマルトリートメント(childhood maltreatment; CM)を体験したことで、情動の調節が困難な特性をもつことや強迫症/強迫性障害(obsessive–compulsive disorder; OCD)の症状に潜在的に影響する可能性が示されている。本症例の患者は、CMを体験し、対人関係でストレスを感じても自分の意見を表現抑制する傾向があった。そして、成人になって職場でのストレスが強い出来事をきっかけに、他者への加害の強迫観念を抱くOCDを発症した。重症度が増し、自宅で一人のときは、ほとんど身動きしないでいた。自宅にいる患者に音声通話を主とした遠隔診療で認知行動療法を行った。この方法は、患者が強迫症状の現れる場所にいながら、治療者と課題をできるなどのメリットがあり、症状は改善した。本研究では、その患者のCM体験とパーソナリティ、OCDへの影響を検討した。

言及状況

外部データベース (DOI)

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児童期マルトリートメントを体験した強迫性障害への遠隔診療での認知行動療法の症例報告(認知行動療法研究) https://t.co/zFY617pvGi

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