著者
中谷 奈美子 中谷 素之
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.148-158, 2006-08-20 (Released:2017-07-27)
被引用文献数
1

本研究の目的は,子どもの反抗行動に対する母親の認知と虐待的行為の関係を,特に子どもの悪意や敵意と捉える「被害的認知」に着目して検討することであった。3〜4歳の子どもを持つ一般の母親270名に調査用紙を配布し,207名から協力を得た(回収率76.7%)。調査は,子どもの反抗に対する母親の認知,虐待的行為,さらに,認知を媒介として虐待的行為に影響を及ぼす要因として母親の育児ストレス,自尊感情,親に対する愛着,母親の就労,子どもの性別について測定された。重回帰分析の結果,予測した先行要因→認知的要因(媒介要因)→虐待的行為のプロセスが確認された。すなわち,虐待的行為に影響を及ぼす母親の認知特性は,子どもに対する否定的認知ではなく,母親の自尊感情の低さや育児ストレスの高さからもたらされる被害的認知であることが明らかにされた。また,先行要因として検討した育児ストレスは,認知の歪みをもたらすだけでなく,虐待的行為に直接正の影響を及ぼすこと,親に対する愛着は虐待的行為に負の影響を及ぼすことが明らかになった。以上の結果から,子どもの養育における母親の認知的要因の役割について議論され,児童虐待ハイリスクの母親に対して,認知の歪みや育児ストレスなどを考慮して介入することの重要性が示唆された。

言及状況

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なぜそんな事が出来るのですか?という答えは https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/17/2/17_KJ00004360566/_pd... そ の 中で 最 も注目す べ き は 「認 知 の 歪 み 」で あ る と指摘 して い る 。 これは,子 ど もの 行 動 を悪意 に 解釈す る .子 ど も に 非 現 実的な期待 ...
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/17/2/17_KJ00004360566/_pd... 虐待してしまう親の心理についてはある程度分かって来ています。 虐待する親は子どもを「親をわざと困らせたり挑発したり,親にみじめな思いをさせる加害者」 と、思っています。 もちろん、それは多くの場合は被害妄想ですが
「子どもに対する認知の歪み」が強い要因です。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/17/2/17_KJ00004360566/_pd... 自分は子供から被害を受けている 子供は自分に対して悪意を持っている と思っている親は、子供を虐待しやすいと予想されます。 そんな事考えるか?と思いますか?果たしてそうでしょうか? ...

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母親の被害的認知が虐待的行為に及ぼす影響 https://t.co/NsoaYOIrl5

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