著者
富田 昌平 野山 佳那美
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.291-301, 2014 (Released:2016-09-20)
参考文献数
32
被引用文献数
1

人間はしばしば怖いものを「怖い」と知りながらもあえて見ようとする。本研究では,怖いもの見たさの心理を,虚構と現実の区別を認識したうえで,安全な距離から怖いものと向き合い,「現実ではない」「でも,もしかしたら」と現実性の揺らぎを楽しむ遊びとして定義し,幼児期の発達においては,虚構と現実の区別の認識が獲得されるに従って,怖いものをあえて見ようとする行動をよく行うようになるのではないかとの仮説に基づき実験を行った。具体的には,保育園年少児20名,年中児33名,年長児39名に対して,動物またはお化けが描かれた「怖い」カードと「怖くない」カードを伏せた状態で提示し,どちらか1枚だけ見ることができるとしたら,どちらを見たいかを尋ねる課題(怖いカード選択課題)を行った。また,見かけ/本当の区別課題,想像/現実の区別課題も併せて行い,関連性について検討した。研究の結果,怖くないカードよりも怖いカードを見ようとする行動は加齢に伴い増加し,そうした行動は特に年長児において想像/現実の区別の認識と関連があることが示された。また,男児は女児よりも怖いものを好む傾向があることが示された。

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子ども(小学生)が「怖い話」になぜ惹きつけられるのか。

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12人産んだ助産師HISAKOさんのブログ は、お子さんの作文が使われているので割愛。 ↓前年に公開されていたBRANSHESさんコラム https://t.co/Cr0hqKf7UF ↓7年前に発表されていた富田 昌平さん、野山 佳那美さん論文抄録 https://t.co/xqhGvmtZAf
こっちも読んでみよ https://t.co/2dXXhr0WQS
J-STAGE Articles - 幼児期における怖いもの見たさの心理の発達:怖いカード選択課題による検討 https://t.co/sR01NofISJ
@116_kkk リアルと想像がつくの区別がつきにくく、音の感受性も高い3歳前後(2歳〜4歳半)は、特に注意した方がいいと思います。 わたしは、こちらを参考にしました。 https://t.co/ROBFbM4JSo
@May_Roma 調べてみました https://t.co/ROBFbM4JSo 個人差はあると思いますが、 ・3歳〜4歳半ごろの、空想と現実の区別がつかない年齢の子どもには向かない。 大きい音に恐怖を感じるのも3歳がピーク。 ・4歳半から8歳前後は、人生のうちで最も「怖い話」が楽しめる時期 って事みたいです
鬼滅を小学生や、4歳の子 に見せる事について考えてみたくて 調べてみました https://t.co/ROBFbM4JSo
(専門外だと、序説読んで終わる) https://t.co/34oGnW96cQ https://t.co/3GFLlyBDP5
息子が急に、暗闇を怖がるようにるなってきた。 どうやら、空想的なものを理解できるようになったことによる恐怖らしい。一歩一歩、こうやって成長してるんだなぁ https://t.co/M0J6RxRxXH

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