著者
上岡 伸
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.46097, (Released:2023-01-30)
参考文献数
44

本研究の目的は,初任教員が受講する校外研修の転移プロセスを自己調整学習の概念によって定義し,研修の改善に取り組む際の指標として行動意図が有用であるかを検討することである.初任教員145名の回答を用いた因子分析の結果,「教育クラウドの活用」を目標とする職場での行動・認知活動に関する項目群は,自己調整学習因子とフィードバック探索因子の2因子構造と判断された.そして,小学校教員と高等学校教員について多母集団同時分析を行うと,行動意図は,自己調整学習とフィードバック探索の潜在因子である「転移の試行」に対して正の大きい効果量を示した.このことから,行動意図は校外研修と職場における自己調整学習とを橋渡しする役割を果たすと考えられ,研修改善に取り組む際の指標として有用であることが示唆された.

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