著者
喜多村 章一
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.218-225, 2002-03-25 (Released:2017-10-27)

データをある関数で記述して最も適したパラメータを決定し,その背後にある意味を理解することはデータ解析の上で重要な部分である。我々は最尤推定法(maximum likelihood method)で最も適したパラメータ(最尤推定値,maximum likelihood estimate)を能率よく決定するための簡便なアルゴリズムを確立した。これはまずn次元パラメータ空間を等分に分割して,各点で尤度関数(likelihood function)を計算して,この値が最も大きくなる点を捜す。次にこの点のパラメータを初期値として,歩幅の大きさと方向を調節しながら尤度関数の傾きの方向に進み,これが最大になる点を効率よく求める。このアルゴリズムによる解法をC言語でコード化してプログラムMLFITを作った。そして実験データと尤度関数を使って最も適したパラメータを推定した。これはパソコンや小型ワークステーションで利用することができる。このプログラムは一般に尤度関数として非線形関数を想定しているので,非線形関数を使った最小二乗法にも応用できる。また保健科学関連のデータ解析にも利用できる。

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