著者
上田 功
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.331-337, 1995-07-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
25
被引用文献数
1

幼児の構音異常を記述し評価する方法に, 自然音韻過程分析 (Natural Process Analysis) もしくは単に音韻過程分析 (Phonological Process Analysis) があるが, これは言語学的にみて, 理論的基盤を自然音韻論に置くものである.この評価法は欧米においては非常にさかんに用いられており, わが国においても, 最近援用される機会が多くなってきている.本論ではこの自然音韻過程分析を, 主として言語学的立場から検討し, はじめに基盤となる自然音韻論の中核となる概念を紹介し, その理論的問題点を指摘し, 次に自然音韻過程分析では説明しえない症例を紹介することによってこの分析法の限界を示し, 最後にこれらを踏まえたうえで, 自然音韻過程分析を臨床に応用する際の簡単なガイドラインを提示する.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

構音障害と自然音韻過程分析 ―音韻論からみたいくつかの問題点― https://t.co/KtzQ0PFQJZ

収集済み URL リスト