著者
脇口 宏
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.59-67, 1999-04-30 (Released:2011-03-09)
参考文献数
59

慢性活動性EBウイルス感染症CAEBVの臨床症状, 免疫異常, ウイルス感染細胞の特徴, 診断, 治療などについて概説した.症状の主体は発熱, 肝脾腫, リンパ節腫脹で, EBウイルス感染細胞の異常増幅/EBウイルス負荷量増加に細胞性免疫能低下, サイトカイン産生異常などが関与していると考えられる.CAEBVにおけるEBウイルス感染細胞の主体はT/NK細胞で, クローン性の増殖を示す例が多い.両親の免疫機能にも異常があり, とくに母親と患児のNK活性には有意の相関が観察される.自己免疫性リンパ増殖症候群のなかにCAEBVに相当する臨床症状と, 免疫異常を伴う例があり, 本症の発病機序を考えるうえで興味深い.予後はきわめて不良であるが, 診断基準と治療方法はまだ確立されていない.骨髄移植と細胞傷害性T細胞養子免疫療法は今後期待される治療方法である.

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