著者
菊川 素規 菊川 玲子
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.46-51, 2008-01-18 (Released:2008-02-13)
参考文献数
5

脳卒中や頭部外傷後に高次脳機能障害を後遺している患者の中には,回復期リハビリテーション(以下,回復期リハ)開始時に,情動障害のためリハ治療が困難なケースがある.バルプロ酸ナトリウム(以下VPA)は精神科領域では抗てんかん薬としてだけではなく気分安定薬として用いられている.情動障害を抑制しリハ効果を高めるために,VPAを使用し,その有用性を検討した.山口リハビリテーション病院回復期リハ病棟(60 床)の2006 年 8 月~2007 年 4 月の新規入院患者のうち情動障害コントロールの目的で7 例にVPAを処方した.情動障害の効果判定には脳卒中情動障害スケール(以下JSS-E)を用い,リハ効果判定にはBarthel Index (以下BI)を用いた.JSS-E,BIともに,処方前に比べ投与後有意にスコアが改善し,回復期のリハにおいて,情動を改善しリハ効果を高めるためにはVPAが有効であることが示された.

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@andoppan 薬物のチョイスの優先順位などは、発達障害/高次脳機能障害で同じではないですが、「どちらの治療も試してみる」つもりでいるなら、「治療を試してみてどうなるか見る」ほうが、鑑別検査よりも建設的だと思いますよ。 https://t.co/xjM1TEpOxP

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