著者
井谷 基 岩山 幸子 繁田 絵実 池田 慈子
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.061-066, 2015 (Released:2015-02-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

手術室の空気清浄度を保つことにより周術期感染を減少させるエビデンスは確立されており,その空調は厳密に管理されている.手術室内では,術野に対する飛沫感染,接触感染を予防するために手術着,マスク,キャップ等を着用している.さらに手術室内の空気清浄度を恒常的に維持するために(1)高性能フィルタを通した換気を行い,(2)垂直層流を保ち,(3)塵埃数減少のために在室者数を,(4)陽圧維持のためにドアの開閉回数を制限している.しかし高度な設備によるシステムも,手術室の在室者が一人でも不適切な行動を行えば容易に破綻する.高水準の環境が保てるよう麻酔科医をはじめ,外科医・看護師が共通の理解を持って手術室環境の維持に努める必要がある.

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感染経路について J-STAGE - 手術室環境の維持と周術期の感染 https://t.co/g5CVP4xALz 「飛沫感染とは咳やくしゃみに伴って飛散する5 μmより大きい粒子によって伝播する微生物によるもので(中略).空気感染とは空気媒介性の感染性飛沫核が5 μm以下のもので,高性能フィルタにより除去ができる」

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