著者
田村 賢 杉山 耕平
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.29-37, 2019 (Released:2019-03-08)
参考文献数
22

カキ殻の有効利用法を開拓し,廃棄カキ殻の利用価値を向上させるために,本研究ではカキ殻粉末が陶器釉薬として容易に利用できるよう,施釉・焼成方法を確立した。ハンマーミルを用いて作製されたカキ殻粉末が市販の精製 CaCO3 粉末の代替品として釉薬の原料に使用できることを確認し,カキ殻粉末と粘土の混合系においてカキ殻粉末が過不足なく粘土と反応し,質の良いガラス層が得られる配合割合と焼成条件を明らかにした。鉄分や他の不純物元素を少量含んでいる天然粘土 (信楽粘土) とカキ殻粉末の混合系ではカキ殻粉末の配合割合が 30 wt% と 33 wt% のものが焼成温度1,200℃で溶融する。このうち,流動性に優れるのは 30 wt% のものであった。この配合割合 30 wt% のものを釉薬とし,実用品 (皿) として造形した素焼き基材の表面に塗布して焼成 (1,250℃で 1 h 保持) した結果,高い表面品質をもつ製品が得られた。

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