著者
澁谷 幸
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1_43-1_51, 2019-04-20 (Released:2019-04-20)
参考文献数
25

目的:本研究の目的は,看護師が清拭をどのようにとらえ実践しているのかを明らかにすることである。方法:研究方法はエスノグラフィーで,一般病院外科病棟において参加観察とインタビューを行った。結果:看護師は,清拭を〔患者に快を与えられる〕技術として,専門的知識を活用して創造的に実践していた。また,患者との感覚の共有によって,より深く患者とかかわることで〔患者がみえる〕ととらえていた。看護師は清拭を看護実践には欠かせない技術だと認識し〔清拭しないで看護したとはいえない〕と考えていた。結論:清拭は,安楽の提供という看護師の役割を遂行する最も有効な手段であり,看護職としての自信ややりがい,誇りを見出すことができる技術である。清拭は,看護師が自分の価値観や信念を込め,専門的創造的自律的に実践できる技術であり,看護の専門性が発露される,看護実践の拠り所となる技術である。

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