著者
菊池 聡
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.286-292, 2018 (Released:2019-01-08)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

一般市民が災害リスクを正しく認識して適切な対処行動をとることができるか, という点は, 災害にかかわる心理学の重要なテーマのひとつである。特に, 発災時に迫り来る危険を適切に判断できず, 避難や対策が遅れて大被害につながる例は多く知られている。人の思考や判断過程における認知情報処理を扱う心理学の諸研究からは, 緊急時にこうした不適切な意思決定を引き起こす認知バイアスが数多く指摘されている。本稿ではリスク認知心理学の観点から, 正常性バイアスをはじめとした災害時の認知バイアスの性質について概観した。その上で, 防災減災のための施策においては, こうした認知バイアスの特性を考慮した計画立案とリスクリテラシーの向上が重要であることを提言した。

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> RT インドア派の陰キャなので川のそばに行くことはないけれど、楽観バイアスは身に覚えがありすぎて怖い ◾️災害における認知バイアスをどうとらえるか -認知心理学の知見を防災減災に応用する- 信州大学地域防災減災センター / 菊池聡 https://t.co/agn3GORZGb
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