著者
角田 晋也
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.29-36, 2007 (Released:2009-08-07)
参考文献数
3

統合失調症や躁鬱病は共に人口の1%程度を占める代表的な精神病であるが、精神病という程ではない障害をもつ人々はその十倍程度いると思われる。特に、反社会的な言動を伴う障害に注目すると、ストレスに対する反応が十人十色であるとともに、脳科学の進歩により、公共心に乏しい人々の総人口に占める割合の削減や各人のストレス耐性などに応じた権限の割当て制限などの可能性が示唆される。ホロビンの仮説では、以下のようになる。まず突然変異で統合失調症の遺伝子ができる。その時点では発病しないか、社会的に問題にならない時代が何十万年も長く続く。そして訪れた地球規模の気候の変動により食糧事情が変化し、農業中心による穀物中心の食文化に移行すると、摂取する栄養の内容が変わる。その結果、発病の引き金となる脂肪酸の代謝が悪化する。すると、それまでは発病しないか、軽症で済んでいた遺伝子ホルダーたちが顕著に発病をはじめる。それが社会に大きなインパクトを与えることになる。

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