著者
田中 英輝 熊野 正 後藤 功雄 美野 秀弥
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.81-117, 2018-02-15 (Released:2018-05-15)
参考文献数
40
被引用文献数
1

NHK はインターネットサイト NEWS WEB EASY で外国人を対象としたやさしい日本語のニュースを提供している.やさしい日本語のニュースは日本語教師と記者の 2 名が通常のニュースを共同でやさしく書き換えて制作し,本文にはふりがな,難しい語への辞書といった読解補助情報が付与されている.本稿では NEWS WEB EASY のやさしい日本語の書き換え原則,および制作の体制とプロセスの概要と課題を説明した後,課題に対処するために開発した 2 つのエディタを説明する.1 つは書き換えを支援する「書き換えエディタ」である.書き換えエディタは先行のシステムと同様に難しい語を指摘し,書き換え候補を提示する機能を持つが,2 名以上の共同作業を支援する点,難しい語の指摘機能に学習機能を持つ点,また,候補の提示に書き換え事例を蓄積して利用する点に特徴がある.他の 1 つは「読解補助情報エディタ」である.読解補助情報エディタは,ふりがなや辞書情報を自動推定する機能,さらに推定誤りの修正結果を学習する機能を持つ.以上のように 2 つのエディタは,自動学習と用例の利用により,読解補助情報の推定の誤り,やさしい日本語の書き方の方針変更などに日々の運用の中で自律的に対応できるようになっている.本稿では 2 つのエディタの詳細説明の後,日本語教師および記者を対象に実施したアンケート調査,およびログ解析によりエディタの有効性を示す.

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“やさしい日本語ニュースの制作支援システム” https://t.co/RdqdQRihWK
2012年~2016年頃だと、日本語教師のひとでも、みじかい文をつなげてかけるようになるのに2年ほどかかっていたよう。それを「国語」の時間に身につけてしまえるのは、すごいこと。「わかりやすい日本語」への道もすこしずつ。 https://t.co/SIje4SDGdD
「やさしいにほんごのニュース」、原稿難易度判定とかする独自のエディタ使っているのか。 J-STAGE Articles - やさしい日本語ニュースの制作支援システム https://t.co/hkAlfJPx1r
「やさしい日本語」は、平均文長が40字をきるくらいになると、だいぶよみやすくなる。そこにいたるまでには、日本語教師の先生でも2年くらいはかかっている。 https://t.co/SIje4SlwZv https://t.co/HkwE37KFSx
「やさしい日本語」をつかった作文は、やさしくはないとおもう。まず、ながい文をつかわずに、みじかい文をつなげてかく、というのができないといけない。「やさしい日本語で書いたニュース」でも、平均文長が40字をきるまでには、2年くらいかかっている。 https://t.co/SIje4SlwZv
さいきんの「やさしい日本語で書いたニュース」では、一文の平均が40字をきるところまできている。一文の平均のながさの目標は、50字から40字弱まで、40年くらいかけてさがってきている。あるいは、そんな見かたもあるのかもしれない。 https://t.co/Pw0pJTUbBj
NHKの「やさしい日本語」の記事は、日本語教師と記者が、ふつうの記事から変換することでつくられている。ひとつの記事のかきかえに、およそ2時間かかるのだという。平均文長は、数年かけて、40字をこえるところから、40字をきるところまで改善されている。 https://t.co/SIje4SlwZv

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