著者
高橋 知敬
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.133-145, 1982-03-20 (Released:2010-10-28)
参考文献数
31
被引用文献数
3

姿勢の違いが咀嚼及び嚥下機能に及ぼす影響について明らかにするため, 被験者46名につき坐位及び仰臥位の2つの異った姿勢における咀嚼及び嚥下時の顎運動パターン, 食品粉砕能率, 口における物の大きさの弁別能をそれぞれ比較した。両姿勢問で咀嚼及び嚥下時の顎運動パターンは相違した。また, 食品粉砕能率は両姿勢問で相違がないにもかかわらず, 仰臥位では坐位に比べて嚥下するまでには咀嚼回数を増加させ, 食品をより細く粉砕して嚥下した。一方, 大きさ弁別実験では弁別能自体は姿勢の変化による影響を受けなかったが, 弁別に際し出現する基準板の大きさについての錯覚現象には変化が認められ, 仰臥位では坐位に比べてこの錯覚の程度が小さかった. このような姿勢の違いによる咀嚼系機能の変化の機序の1つとして・閉口筋中の感覚受容器の活動の姿勢の違いによる変化が関与していることが示唆された。

言及状況

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@reijirou58 @kxn_l 側頭筋中の筋紡錘活動時間が短縮することで嚥下するまでに必要な咀嚼回数が増加するという報告や前庭器官からの情報が咬筋筋紡錘の運動ニューロンに影響を及ぼすという報告があるようです。 https://t.co/z8ZXMLM2iE https://t.co/DGalu6oMw7

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