著者
今井 マユミ 三浦 永理 矢部 智紗 陳 志堂 鴨下 泉
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.74-78, 1993-12-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
6

近年糖尿病眼合併症が増加しており,糖尿病患者の視力測定時に,視力低下や,眼鏡が合わないと不安を抱く患者に接することが多い.屈折度変化を論じた報告では,高血糖により近視化となり血糖の改善とともに遠視化の方向をとるものが多いが,近視化したという報告も認められる.そこで今回著者らは,糖尿病教育入院をしたうちから98名を対象に,主に空腹時血糖値と屈折度を測定しその関連を検討した.結果は196眼中84眼(42.9%)に±0.5D以上の屈折度の変動を認め,変動を認めた84眼中56眼(66.7%)は退院時に遠視化を最高+2.125D呈していた.この遠視化の傾向は入院時に高血糖であり,しかも血糖低下幅の大きいものに高率に認められた.血糖調整時の視力矯正には屈折度の変動を念頭におき,眼鏡処方は慎重を期すとともに,患者にも屈折度の変動がおこることを説明し,安心させることが必要であると思われた.

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治療後有痛性神経障害(https://t.co/ZRAeaJJnim)と眼 調整障害(https://t.co/PPHmGcKahY)などがあります。 どちらも患者さんのQOLを損ないますので、急がないでいい場合はゆっくりと血糖管理をすすめていきましょう。 今週もありがとうございました。 またよろしくお願いいたします。

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