- 著者
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小西 純一
西野 保行
淵上 龍雄
- 出版者
- Japan Society of Civil Engineers
- 雑誌
- 日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.227-238, 1989-06-20 (Released:2010-06-15)
- 参考文献数
- 9
官設鉄道が標準桁として採用したクーパー型トラス桁は10種類で、そのうち100ft上路を除く9種類263連が1899年から1915年にかけて架設された。耐用年数は線区によりかなり異なるが、東海道本線で47年程度、中央本線で66年程度であり、経年88年で今なお使用中のものもある。現在使用中の桁は、転用桁を含めて合計72連となっている。クーパー型の採用はそれまでの英国系からの全くの方向転換であり、連続性はない。クーパー型を少し設計変更した100fしと300ftの国産桁が存在した、輸入ピン結合トラスの最後を飾るのは、阿賀野川釜ノ脇橋梁ほかのカンチレバー式架設工法によるトラスである。わが国の橋梁技術者たちは、米国流の進んだプラクティスを体得すると同時に、アイパーを主体のピン結合トラスの欠点を見抜き、リベット結合に改め、輸入から国産へと転換し・技術的な自立を一段と進めることになる。【明治期、鉄道橋、トラス桁】