著者
功刀 浩 太田 深秀 若林 千里 秀瀬 真輔 小澤 隼人 大久保 勉
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.177-181, 2016 (Released:2018-07-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1

近年,緑茶の飲用頻度が高いとうつ病など精神疾患のリスクが低いことが指摘されている。緑茶特有の成分であるテアニン(L-theanine:N-ethyl-L-glutamine)は,グルタミン酸に類似したアミノ酸で,リラックス効果があることが知られていた。筆者らは動物実験により,テアニンはprepulse inhibition[PPI]で評価した感覚運動ゲイティング障害を改善する効果があるほか,持続的投与では強制水泳テストの無動時間を減少させ,海馬での脳由来神経因子の発現を高めるなど抗うつ様効果も認める結果を得た。健常者を対象にテアニン(200mgまたは400mg)を単回投与するとPPIが上昇することを見いだした。慢性統合失調症患者に8週間投与したところ,陽性症状や睡眠を改善する効果がみられた。大うつ病患者に対する8週間のオープン試験では,うつ症状,不安症状,睡眠症状に加えて認知機能の改善が観察された。以上から,テアニンは多彩な向精神作用をもち,統合失調症やうつ病といった精神疾患に対して有用である可能性が示唆された。

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8年ぶりに煮出したウーロン茶を飲んだら、頭がフワフワするんだが、 もしかして、原因これか、、? https://t.co/3I2tyc4wm3
@infinity_rap_ 緑茶には睡眠の質を向上させるテアニンが含まれています https://t.co/d1aC9UHKVQ 独立行政法人農業技術研究機構野菜茶業研究所の研究グループによって「茶主要成分の茶浸出液への溶出特性」20度程度の緑茶を飲むとテアニンの抽出量が増えるようです https://t.co/O22eI0M22V
興味深かった。 緑茶に含まれるテアニンが鬱病の改善に繋がるのではないか、という論文。 https://t.co/7G4j92DRwK https://t.co/R52SMkqGbX
へー https://t.co/S2UIingqtz
https://t.co/vB4S8ykK2U >>カフェインなどの興奮剤 そのまんまだった >>降圧薬の作用増強 ふむふむ https://t.co/9M4O1pLKhi うつ病にダメって事はないらしい。むしろプラスの可能性。

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