著者
溝口 義人
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.38-43, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
44

うつ病およびアルツハイマー型認知症(AD)に共通する病態仮説として,神経炎症仮説,BDNF仮説が注目されているが,病態には糖尿病,肥満などの生活習慣病も関与しており,薬物療法以外にも食事,運動,睡眠など日ごろの生活習慣を見直すことが,発症予防や治療において大変重要であると考えられる。また,うつ病およびADの病態にミクログリアの活性化が関与していると示唆されるが,加齢によるミクログリアの老化(microglial senescence)にも着目することが大変重要であり,加齢により低下したミクログリアのアミロイドβ(Amyloid‐β:Aβ)貪食能を高めるなど,残存するミクログリアの機能を保護し,高めることが新規治療標的として重要だと考えられる。

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ミクログリアの活性化が脳の炎症に関わっているため、うつ病と慢性疲労症候群である自分の身体でミノマイシンを試しています。(三羽先生)またBDNFを増やすノイロトロピン静注も毎日受けています。(藤永先生) https://t.co/G3LmsfKnSS

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