著者
伊藤 順子
出版者
日本老年行動科学会
雑誌
高齢者のケアと行動科学 (ISSN:18803474)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.42-52, 2019 (Released:2020-01-20)
被引用文献数
1

本研究の目的は,高齢者ボランティア活動の意義と課題について,とくに参加動機とボランティア活動満足感,活動から得た利益および生活満足度との関連を明らかにすることである。研究の方法は,調査研究で,島根県東部地域でボランティア活動をしている 60 歳以上の高齢者約 500 名を対象に郵送調査を行った。分析方法は,相関分析,多元配置分散分析で分析した。 効回答数は 229 名であり,回収率は 43%であった。分析をした結果,ボランティア活動満足感,ボランティアから得た利益には,活動動機の自己志向性と他者志向性に有意な関連があった。両志向性がともに高いほど,ボランティア活動満足感,ボランティア活動から得た利益が多いこと,両志向性がともに低いほど活動満足感も得られた利益も少ないことが示された。また,統制変数とした活動開始時期が 10 年以上前の者にボランティア活動から得た利益も大きくなることも明らかとなった。生活満足度は,活動動機と有意な関連はなかった。

言及状況

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「ボランティア活動が他者のためと捉えがちな視点に加え、社会参加や生きがいといった視点からも非常に重要なものとして、自己のためでもあると捉えることも必要なのである。」 https://t.co/QrEsOkR566 #高齢者就労論文

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