著者
須貝 香月
出版者
日本子育て学会
雑誌
子育て研究 (ISSN:21890870)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.37-44, 2017 (Released:2018-11-09)
参考文献数
15

「発達障害者支援法」が平成17年に施行され、障害の早期発見・早期対応の体制づくりとともに家族を 含めたトータルな支援が進められている。しかしながら早期発見の難しさや、性差によって診断の時期が異なるという問題が指摘されている。親が支援を求める時期を明らかにすることを目的として自発的にペアレントトレーニングに参加している発達障害児の親を対象に調査紙を用いて、支援を求めるときの児の年齢や性別の分布を明らかにした。さらに、支援を受けに来る親の特徴として育児不安や抑うつ傾向につ いて調査し、児の性別により比較した。親の受講開始時の児の平均年齢や親の抑うつ傾向に性差による有意な差は認められなかった。しかし、4歳の男児の親が突出して多いのに対して女児の親はある年齢で特に多いということはなく、幼児から中学生まで広範囲にわたっていた。女児の親は児に対する否定的育児感情や育児多忙感が男児の親よりも有意に高く、児に対してネガティブな反応が多かった。発達障害児の早期発見・早期療育がうたわれ、その体制づくりが中心となっている現在、年齢が高じても子育てに困る親への支援の構築の必要性が示唆された。

言及状況

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ギフテッドの母親の出産時平均年齢30.8歳(アメリカ)で、主にそうではない発達障害の親の出産平均年齢は男児の場合で37.9歳、女児の場合41.0歳(日本)なので、有意差は出るよねのだ

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