著者
木村 信広 中尾 彰太 月木 良和 萬田 将太郎 松岡 哲也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.455-461, 2019-06-30 (Released:2019-06-30)
参考文献数
6

心停止症例に対する機械的CPRは,『JRCガイドライン2015』で胸骨圧迫の継続が困難な状況などにおける質の高い用手胸骨圧迫の代替手段として活用を提案されるなど,とくに傷病者の移動時や救急車の走行中の不安定な状況下における質の高い胸骨圧迫の継続が可能なデバイスとして期待されている。筆者の所属する消防機関では,CPA傷病者に対する病院前心肺蘇生中の胸骨圧迫中断時間の短縮を目的に,機械的CPR装置を導入しており,今回,実搬送症例データを基に機械的CPRの有用性を検証した。2013年1月からの3年6カ月間に,当消防本部の救急隊が対応した内因性院外心停止症例172例を,機械的CPR実施群107例と用手的CPR実施群65例に分けて比較分析した結果,機械的CPR実施群では用手的CPR実施群に比し,自己心拍再開率および社会復帰率に有意差を認めなかったが,Chest Compression Fraction(CCF)と特定行為実施率が有意に高かった(CCF;79.7% vs. 73.1%,p<0.01,特定行為実施率;43.9% vs. 24.6%,p<0.05)。欧米と比較して早期搬送が優先されるわが国の病院前救護体制においては,CCF改善とマンパワー確保の観点から,機械的CPRは有用である。

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自己心拍再開率および社会復帰率に有意差を認めなかったが,Chest Compression Fraction(CCF)と特定行為実施率が有意に高かった(CCF;79.7% vs. 73.1%,p<0.01,特定行為実施率;43.9% vs. 24.6%,p<0.05)ことを報告した論文https://t.co/svusSLXlOg https://t.co/1IzgzpBTNs
機械的CPR実施群では用手的CPR実施群に比し,自己心拍再開率および社会復帰率に有意差を認めなかったが,(CCF)と特定行為実施率が有意に高かった(CCF;79.7% vs. 73.1%,p<0.01,特定行為実施率;43.9% vs. 24.6%,p<0.05)ことを報告した論文https://t.co/svusSLXlOg https://t.co/b95Sznlm6o
救急現場で機械式胸骨圧迫装置を使う理由はこれが大きかったりします。 特にCCFです。 救急現場では【移動】は避けては通れませんからCCFを上げるためには有用です。 CCFの概念に乏しいと、 『車内収容してから使おう』とワケワカメな活動になってしまいます。 https://t.co/ZwlwmFLqrb
米と比較して早期搬送が優先されるわが国の病院前救護体制においては,CCF改善とマンパワー確保の観点から,機械的CPRは有用であることを報告した論文https://t.co/svusSLXlOg https://t.co/G7El269Ssq
すでに貼られているかもしれないけど。 https://t.co/KyLfCuhsEf https://t.co/UsTnGGhhnQ
論文出た。 病院前救護における機械的CPRの有用性の検討 https://t.co/ls48MxThFP でも日本語だからILCORは検討もしないだろうなあ。JRCはどうだろう。 https://t.co/oVYUHkbBKm

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