著者
佐藤 紀子
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement1, pp.127-132, 2006 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13

本研究は, 17世紀のオランダの画家フェルメールの描いた風俗画の室内空間を図学的に分析することにより, 彼が制作時にカメラ・オブスクラを利用したという仮説の可能性について考察する.彼の13作品から床のタイルサイズを基準として分析図や平面図立面図を作図した.その結果, カメラ・オブスクラは, 画家が構図を決定するとき, 描く対象の空間を構成する要素間の比率をキャンバスサイズが異なる場合でも, その比率を維持し, より正確に下書きを行うための補助的な役割を担っていたと考えられる.さらに, 画家は同じ視点から捉えた空間を描くとき, 遠近法によって.描かれた部屋の奥行きに変化を加えた可能性がある.このことから, カメラオブスクラは, 描かれる部屋の奥行きを決定し, 絵画空間を構成するための遠近法を使う目安となり, その位置を数パターン示したと考えられる.

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@eto_silversalt そうなのです。 嘘なのです。 実際にはこの画角で撮りました。 トリミングして左側を切る前提でカメラはこの位置なんですね。 被写体に正面から攻めると背景はこの形にはなりませんから。 もちろんフェルメールの技法を用いています。 https://t.co/UhKWZ7WBoe https://t.co/tvvBz4TUwh
もし完成画角でレンズを構えるとこうはならない。 レンズだから。 色んなものの位置は力はスイング・バイするだろう。 んで、ここまで説明したらもうお分かりかと思うんやけど、フェルメールなんよね。 フェルメールは下書きにカメラオブスクラを使ったとかいう話 → https://t.co/UhKWZ7WBoe

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