著者
バケロ マリア 黒田 敏史
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.3_49-3_59, 2011 (Released:2012-03-25)
参考文献数
21

我々は第三世代携帯電話用の周波数配分において、オークションにより周波数を配分した国と、比較審査によって周波数を配分した国の間の市場成果の違いを、政策効果の推定手法 (bias corrected matching estimator) を用いて検証した。我々が分析を行った各国の市場成果は、第三世代携帯電話の普及率、携帯電話利用者に占める第三世代携帯電話利用者の割合、事業者のサービス料金、事業者数、周波数供給量、携帯電話の普及率、携帯電話のハーフィンダール・ハーシュマン指数、第三世代携帯電話のハーフィンダール・ハーシュマン指数である。推定の結果、オークションを実施した国では第三世代携帯電話の普及率が低いことが明らかになった。この結果は、市場競争の不足が普及率を低下させたメカニズムである可能性を示している。ただし、いずれの配分メカニズムにも政府が市場成果を向上させる誘因を付与することが求められる。

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ただしその結果として、価格競争が激しくなって料金が安くなったり、次世代ネットワークへの投資競争が激しくなったりするかというと、産業構造を規定する様々な要因に依存するので良く分かりません。3Gに関しては黒田君が以前分析をしていました。 https://t.co/i9Jd5UAGso

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