著者
谷口 真理 佐藤 由佳 角道 弘文
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.I_19-I_27, 2021 (Released:2021-01-12)
参考文献数
38

日本固有種ニホンイシガメの生息に影響を及ぼす環境要因を明らかにするために,兵庫県宍粟市のため池10箇所で2015年5月から11月に現地調査を行い,本種の個体数(/m2)を目的変数に,環境17項目を説明変数に,重回帰分析を行った.甲羅干し場(箇所/m2),ため池周囲の林地以外の接地割合が影響のある項目として抽出され,日当たりが良く,体温維持等に必要な甲羅干し場が複数存在する環境が必要であると推測された.また,雌の産卵期6月の移動範囲を明らかにするために,データロガー付GPS機器を用いて追跡したところ,移動範囲は最大12,640m2で,放流地点からの最大移動距離は210mであった.本種は様々な環境で出現し,特にため池周縁部と一部の水田で出現地点が集中した.本種の生息地の保全には,ため池だけでなく,その周辺の陸地も含めた対策が必要であることが確認された.

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ため池及びその周辺における日本固有種ニホンイシガメの生息に影響を及ぼす環境要因の推定。谷口ほか 2021 (日本語論文、オープンアクセス) https://t.co/bWv3GConQF 「本種の生息地の保全には,ため池だけでなく,その周辺の陸地も含めた対策が必要であることが確認された」#論文紹介

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