著者
松岡 芳隆
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.311-316, 1971-09-20 (Released:2009-11-16)
参考文献数
56
被引用文献数
1 1

冒頭に述べたように, リゾチームの発見はおよそ半世紀前のことであったが, この溶菌性酵素が実際に広く利用されるようになったのは比較的近年のことである。その背景には, リゾチームの酵素化学の急速な進歩と, 幅広い利用研究の成果があり, 1959年, 1961年, 1964年の3回にわたり, いずれもミラノで開催された“Fleming のリゾチームに関する国際シンポジウム”はその集大成ともいうべきものであった。そしてその後の研究はますます尨大なものになりつつある。しかしながら, 利用研究を促し, その利用を実現化した影の力として, 高純度の鶏卵白リゾチームを工業生産可能にした製造技術の進歩を見逃すわけにはゆかない。

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