著者
上林 孝豊 中務 博信 本井 真樹 加藤 直子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.301-306, 2014 (Released:2014-06-24)
参考文献数
10

【目的】当院, 緩和ケア病棟入院中のがん患者に生じた感染症に対する抗菌薬治療の現状と, その効果を明らかにすること. 【方法】2012年5月1日から2013年4月30日までの期間に, 当院緩和ケア病棟入院中に注射用抗菌薬治療が行われた感染症症例を対象とし, 電子カルテによる後ろ向き調査で行った. 【結果】当病棟に入院した症例のうち, 44.3%に注射用抗菌薬が投与されていた. 感染症の内訳としては, 肺炎が最多(63.6%)で, 次いで尿路感染が多かった(18.2%). 抗菌薬の効果に関しては, 「有効」59.1%, 「不変」9.1%, 「無効」13.6%, 「不明」18.2%であった. 抗菌薬治療の効果は, 尿路感染症で得られやすい一方, 死期が近いタイミングでは得られにくい可能性が示唆された. 【結論】感染症に対する抗菌薬治療は, 緩和ケア病棟においても, よく行われている現状と, 一定効果のあることが明らかとなった.

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緩和ケア病棟における感染症に対する抗菌薬治療の実態調査 https://t.co/nwa0dLQ7Ve

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