著者
正村 俊之
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.121-136,249, 1989-09-30 (Released:2009-11-11)
参考文献数
17

近年、社会の自己組織化に対する関心がにわかに高まってきた。このような自己組織化に対する関心の高まりは、現代社会そのものがきわめて自己組織的になっていることを背景にしている。本稿のねらいは、現代社会の自己組織性をコミュニケーション論的な視覚から分析することにある。そこでまず、伝統的なコミュニケーション論を批判的に検討し、メッセージの意味構成のあり方に着目したコミュニケーション類型を呈示する。次に、自己組織化には、(1)反省的コミュニケーションによる自己組織化のほかに、(2)原初的コミュニケーションによる自己組織化という別の様式があることを示し、それがどのような特性をもつのかを明らかにする。そして最後に、原初的コミュニケーションが現代社会の自己組織化に果たす役割について述べる。

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