著者
吉岡 聖美
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.5_43-5_48, 2017-01-31 (Released:2017-03-10)
参考文献数
8

本研究では,簡易な形の目口のパーツによって構成される顔アイコンを描画することによる気分の変化を調査する。加えて,描画した目口のパーツの形を分類し,気分の変化に関係する顔アイコンの特徴を調査することを目的とする。笑顔のアイコンを描画することによって,POMS短縮版における「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「怒り-敵意」「疲労」が低下して気分が改善することが示された。描画した笑顔のアイコンは,目頭と目尻を下げて弧を描く形の目のパーツと,口角を上げて弧を描く形の口のパーツが多くを占めることが示され,心理的効果が期待できる笑顔のアイコンであるスマイルアイコンの特徴を確認した。一方,怒った顔のアイコンを描画することによって,「活気」が低下して,「怒り-敵意」は上昇し,気分が悪化することが示された。また,笑顔のアイコンは口のパーツの形によって表情が表される傾向にあり,怒った顔のアイコンは目のパーツの形によって表情が表される傾向にあることを確認した。

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

収集済み URL リスト