- 著者
-
小林 桂
星野 准一
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- デザイン学研究 (ISSN:09108173)
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.4, pp.4_59-4_68, 2021-03-31 (Released:2021-03-30)
- 参考文献数
- 19
デバイスや認識技術の発展により,利用者の行動認識を利用した体験型展示が増加しつつある。しかし展示環境で利用者にどのような動作をして欲しいのかを伝えるのは難しい。本稿では,メディアアートや博物館の体験型展示で入力のための行動を伝えることを目的としたピクトグラムを使った行動伝達手段を提案する。行動のみを伝える造形や構図の工夫を行うとともに,静止画と動画のピクトグラムを制作して,20 代から70 代までの利用者に対して正答率と行動を達成する平均時間について比較した。20 代を対象にした評価実験では,静止画については正答率のばらつきがあったが,動画については全ての行動を88.5%以上の利用者が理解できた。また中高年層にも行動を伝えることができたが,時間がかかる傾向があることが分かった。これらの成果を神社や風呂敷などの日常的な日本無形文化を伝える体験型展示に適用した。