- 著者
-
森 達哉
- 出版者
- 日本セキュリティ・マネジメント学会
- 雑誌
- 日本セキュリティ・マネジメント学会誌 (ISSN:13436619)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.3, pp.3-15, 2020 (Released:2020-03-15)
- 参考文献数
- 34
機械学習とセキュリティは異なる分野で独立に発展してきた技術である.各技術の有用性と社会的重要性が高まるにつれ,両者を融合したクロスオーバーの領域が盛んに研究されるようになった.それらの研究は(A) 「機械学習を用いた防御技術」,(B) 「機械学習を用いた攻撃技術」,(C) 「機械学習アルゴリズムに対する攻撃・防御技術」の3 つのテーマに大別することができる.(A) は比較的古くから研究がなされてきているが,(B) と (C) は比較的新しい研究領域であり,攻撃技術を対象とすることに大きな特徴がある.本稿では特に (B) と (C),すなわち機械学習と「オフェンシブセキュリティ」に関わる研究領域に焦点を当て,各領域の概略と具体的な研究事例を解説する.