- 著者
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滝本 宗宏
佐々 政孝
- 出版者
- 日本ソフトウェア科学会
- 雑誌
- コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.1_30-1_46, 2008 (Released:2008-03-31)
コンパイラでは,機械語の目的コードを生成するに際して,実行させたときにその目的コードが効率良く実行できるように,様々な変換を行う.これを「最適化」という.最適化の方法としては,従来はデータフロー解析と呼ばれる方法が使われていたが,最近は静的単一代入形式というものを用いた最適化の方法が注目を浴びている.静的単一代入形式(SSA形式)は,すべての変数の使用に対して,その値を定義(代入)している場所がテキスト上1箇所しかないように変数の名前替えをした中間表現の形式である.この性質を利用することにより,いろいろな最適化が見通し良く,容易にできるようになる.これを静的単一代入形式最適化と呼ぶ.本稿(発展編)では,静的単一代入形式最適化のあらましについて,解説する.