著者
藏本 貴久 奥田 洋司 陳 昱
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.3_120-3_129, 2014-07-25 (Released:2014-09-10)

金融市場は世界恐慌のようなクラッシュを被り,世界経済は大きな打撃を受けてきた.本研究では,そのようなクラッシュと近代の金融市場における重要な取引手法である空売りの関係性に焦点を当てる.FriedmanとAbrahamのモデルには,利得勾配に応じて取引戦略のレバレッジを変化させるポートフォリオマネージャーが存在するが,そのモデルを基礎として,空売りを導入したシミュレーションモデルを構築した.先行研究と同様に,シミュレーション結果と理論解の比較によりモデルの妥当性の検証を行ったうえで,ミクロ–マクロそれぞれのレベルでクラッシュの統計量に対する空売りの影響を分析した.その結果,空売りのある市場では空売りのない市場に比べてボラティリティが2倍になること,空売りによってクラッシュの発生頻度が増加し,空売りが市場を不安定にする可能性を示した.さらに,損失を生じたエージェントが他のエージェントのレバレッジを下げる戦略選択を誘発すること,一方でクラッシュ直後の取引は空売りのある市場の方が活発になることを発見した.

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エージェントシミュレーションを用いた空売りがクラッシュに与える影響の分析:コンピュータ ソフトウェア Vol. 31(2014) No. 3 http://jlc.jst.go.jp/DN/JST.JSTAGE/jssst/31.3_120

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