著者
藏本 貴久 和泉 潔 吉村 忍 石田 智也 中嶋 啓浩 松井 藤五郎 吉田 稔 中川 裕志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.291-296, 2013 (Released:2013-03-28)
参考文献数
9
被引用文献数
5 3

In this study, we developed a new method of the long-term market analysis by using text-mining of news articles. Using our method, we conducted extrapolation tests to predict stock price averages by 19 industry and two market averages, TOPIX and Nikkei225 for about 10 years. As a result, 8 sectors in 21 sectors (about 40%) showed over about 60% accuracy, and 15 sectors in 21 sectors (over 70%) showed over about 55% accuracy. We also developed a web system of financial text-mining based on our method for financial professionals.
著者
藏本 貴久 奥田 洋司 陳 昱
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.3_120-3_129, 2014-07-25 (Released:2014-09-10)

金融市場は世界恐慌のようなクラッシュを被り,世界経済は大きな打撃を受けてきた.本研究では,そのようなクラッシュと近代の金融市場における重要な取引手法である空売りの関係性に焦点を当てる.FriedmanとAbrahamのモデルには,利得勾配に応じて取引戦略のレバレッジを変化させるポートフォリオマネージャーが存在するが,そのモデルを基礎として,空売りを導入したシミュレーションモデルを構築した.先行研究と同様に,シミュレーション結果と理論解の比較によりモデルの妥当性の検証を行ったうえで,ミクロ–マクロそれぞれのレベルでクラッシュの統計量に対する空売りの影響を分析した.その結果,空売りのある市場では空売りのない市場に比べてボラティリティが2倍になること,空売りによってクラッシュの発生頻度が増加し,空売りが市場を不安定にする可能性を示した.さらに,損失を生じたエージェントが他のエージェントのレバレッジを下げる戦略選択を誘発すること,一方でクラッシュ直後の取引は空売りのある市場の方が活発になることを発見した.